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購買・調達部門へ向いている人の特徴 5選【現役購買・調達員が解説】

前回の記事では購買・調達の仕事の内容について、ざっくり説明させていただきました。
まだ読まれていない方は、良ければ是非読んでみてください。

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今回は『調達・購買部門の仕事については理解できたけど、どんな人が向いているの?どんな人が適正あるの?』
という点を記事にしていきたい
と思います。

購買・調達部門というのは学生やメーカーから遠い位置に居る人にとってはあまり馴染みのない部門かと思います。

転職や新卒での入社の際に購買・調達部門を考えている人の一助に慣れれば幸いです。


では早速本題に入っていきます!

調達・購買部門に向いている人の特徴 5選

早速ですが、調達・購買部門に向いている人の特徴を5つ紹介します。

今回【5選】としたのは、あくまで沢山ある向いている特徴の中の5つを選んだという意味です。

なのでこの特徴がないからと言って、適性がないというわけではありませんので、ご安心ください。

調達・購買部門に向いている人の特徴 5選

  • コミュニケーション力が高い
  • 「好奇心」と「なぜ?」と思う力が強い
  • ロジカル/クリティカル/ラテラルシンキングができる
  • マルチタスクを80点でこなせる
  • 環境の変化を楽しめる

順番に解説していきます。

①コミュニケーション力が高い

コミュニケーション力は調達・購買部門で、一番と言っても良いくらい重要です。

何故かというと、とにかく関わる部門がかなり多岐にわたります。

設計・技術部門は勿論のこと、お金回りで経理部門、購買金額の予算策定で管理部門、新製品の戦略で開発部門、製品の増産・減産で営業部門…と関わらない部門は無いと言っても過言ではありません。

多岐にわたる部門との調整を購買・調達として円滑に回していく必要があり、コミュニケーション力はかなり必要とされます。

このコミュニケーションには、単に意思の疎通がうまいという概念だけではなく、他部門との交渉力、他部門と他部門との折り合いをつけるバランス感覚など総合的なコミュニケーション力を指します。

巷で言う『単に誰とでも仲良くなれる=コミュ力高い』という意味ではありません。

そして言わずもがな、購買・調達部門は企業の中で一番と言っていいほど、対外企業とのコミュニケーションが多い部門です。

コストダウン交渉でお通夜の様な雰囲気になったり、新契約でお祭りになったりと、様々なシチュエーションで適切な表現や態度、言葉遣いが要求されます。

自陣に有利な交渉に運ぶためにとにかく、粘り強いコミュニケーションが要求されますが、ここに楽しみや強い適性を感じる人は、購買・調達部門に向いていと思います。

②「好奇心」と「なぜ?」と思う力が強い

好奇心」が強い人、気になったことに「なぜ?」と思える人はかなり購買・調達に強いです。

何故かというと、購買・調達では部品・製品知識に加え自身以外の利害関係者に「なぜ?」を説明する力が求められます。

どういった時に、その「なぜ?」を説明する能力が求められるかというと、代表的な業務で言うとサプライヤーへの部品見積もり業務がそれにあたります。

部品見積もり時に「なぜこの価格なのか?」「どういった作り方をしているのか」「A社とB社の価格差は何故発生するのか」といった具合に、「好奇心」と「なぜ?」をフル動員します。

そしてそのフル動員して集めた情報を基に、何故このサプライヤーで何故この価格で何故この取引条件で...と言った具合に説明します。

「好奇心」が高い「なぜ?」と思う力が強い人は、この点で適性があると言えます。

購買・調達部門では強い論理性が求められ、その支えとして「好奇心」と「なぜ?」を持てる人はかなり強いです。

③ロジカル/クリティカル/ラテラルシンキグができる

調達では場合に応じて様々な思考方法が求められます。
以下がその一例です。

思考方法の一例

  • 調達・購買先の部品サプライヤーの価格の妥当性を論理的に判断する=ロジカルシンキング(論理的思考法)
  • 現在の調達方法や納期管理の方法が適当か批判的に考えて再構築する=クリティカルシンキング
  • 現在の調達課題に対して、固定概念や既存の論理にとらわれず多角的に新しい発想を生み出す=ラテラルシンキング

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングを利用している社会人の方は多いかと思いますが、ラテラルシンキングも併せて利用できている人は多くはありません

ラテラルシンキングと言うと中々馴染みがないですが、水平思考というと少しわかる人もいるかもしれませんね。

一時期流行った、「ウミガメのスープ」なんかも水平思考の代表的な例です。

ゲームでも楽しめるので、友達なんかとやったらかなり盛り上がりますよ。



3つの思考法を場面や必要に応じて使い分けができる人は、調達への適性が強いと言えます。


④マルチタスクを80点でこなせる

前出の記事で、『調達・購買はシェフの様な役割』と書きました。
未だ読まれてない方は是非読んでみてください。

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調達ではシェフの様な役割を担い、付随する業務を同時多発的にこなしていく必要があります。

ただし、その同時多発的な業務は調達・購買部門で完結することはない為、後工程の部門や外部の部品サプライヤーへ仕事を渡していかなくてはなりません。

そこで調達・購買部門に求められることは常に100% 120%の内容で業務を遂行することではなく、
80%の出来で仕事を進めていくこと
です。

これは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した統計に関する法則『パレートの法則(80:20の法則)』に基づいての考えです。

経済において全体の数市の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論です。

これを仕事に当てはめると、
『仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出されている』と言えます。

調達部門では2割の時間で8割の成果を生み出し、それをマルチタスクで行っていく必要があります。

上記の点を意識してマルチタスクを行える人は、調達・購買部門への適性が非常に高いと言えます。


⑤環境の変化を楽しめる

現在のコロナ禍でのサプライチェーンの混乱、それに伴う物価の上昇、半導体不足、ウクライナ-ロシア間の問題...等々、購買・調達部門は現代の不確実性にもろにさらされる部門です。

ただその不確実性を真正面から受け止めるのも、購買・調達の楽しみ/醍醐味と言えるのではないでしょうか。

勿論大きなストレスや、不安、緊張も伴うことになります。

ただ、そんなストレスフルな変化の大きい環境を楽しむことが出来る人は、購買・調達の適性が強いと言えます。

調達・購買=お酒が飲める人が適正ある?有利?

調達・購買部門に配属された際に「お酒は飲める?」と聞かれたことがある人は少なくないと思います。

先に断言しておきますが、調達・購買部門だからと言ってお酒が飲める必要があるとか、お酒に強い必要は全くありません。

これは入社した時に、私が調達部の先輩から言われたことです。

先輩との会話

先輩 『チーウー君はお酒飲めるの?』
私  『いやー下戸なんで全く飲めないです(^^;』
先輩 『お酒飲めないと調達向いてないよ、俺も飲めなかったから飲めるように訓練しよう(^^♪』
私  『そうなんですね (何言ってんだこいつ(^^))』  

確かに昔は部品メーカーとの飲み会や、社内の飲み会が沢山あり、いわゆる飲みにケーションがもてはやされた時期もありました。

しかし時代も移り変わり、コロナ禍という事も重なりそんな旧態依然とした文化は衰退していっています。

そもそも、お酒が飲めない=調達に向いていないというのも、全く見当違いです。

私は入社以来、飲み会の場でもお酒はほとんど飲まずに対応してきましたが、問題なく調達・購買部門の一員として活躍できています。

それは会食の場や職場内での飲み会は副次的なものに他ならないからです。

お酒が飲めなくてもコミュニケーションは取れますし、飲みたい人が飲んで愉快になればよいのです。

誤解の無いように言っておきますが、ここではお酒は飲むなとか、飲み会には参加するなと言っているわけではなく、あくまで要点は『お酒が飲めない=調達に向いていない』という考えが見当違いと言う内容を説明しています。

まとめ

今回紹介した特徴はほんの一例です。

別に全てに当てはまらないからといって、購買・調達としての仕事が出来ないわけではありません。

今回の記事で購買・調達部門へ志す人、興味を持ってくれた人がいらっしゃれば幸甚です。

今回の記事は以上です、ご覧いただきありがとうございました。

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