こんにちは、チーユーです。
メーカーでの企業活動において、購買・調達部門は絶対に必要な部門です。
ただ営業部門・経理部門・総務部門等の所謂、一般的な文系職と違い調達・購買部門の仕事は中々わかりずらいと思います。
かく言う私も入社まで「モノ買う部門でしょ?」くらいの理解でした。
なので今回は、現役でメーカーの購買・調達部門で働いている私が、
購買・調達部門の具体的な仕事を紹介していきたいと思います。
こんな人におすすめ
- 新卒でメーカー購買・調達部門を志望している方
- 既卒でメーカー購買・調達部門に転職されたい方
- 購買・調達部門の仕事のイメージが付きづらい方
わたしの職歴
最初に私の職歴を説明しておくと、新卒で大手メーカ(いわゆるJTC)に就職したサラリーマンです。
就職して既に7年以上経過し、一貫して調達・購買部門で調達・購買を担当しています。
私が入社したころはメーカーの業績も良く、採用数もかなりの数(>300~500)だったと記憶しています。
ただ、メーカーの新卒で文系職は採用数全体の10%くらい。
その中で調達・購買部門に配属される人数は更に半分の5%くらいだったと思います。
私はとにかく海外に関係する部門に行きたかったので、漠然と『営業部門かな~』くらいに思っていましたし、志望もしていました。
ただ、内定後の面談で
内定後の面談
私 『海外に早く行ける可能性がある部門であればどこでも良いです!!』
会社 『じゃあ購買・調達とかどう?』
私 『全然おk』
という感じで、購買・調達部門に配属になりました。
新卒当時は購買・調達部門での具体的な仕事の内容が分かっていませんでしたが、
新卒で一貫して購買・調達部門に従事した経験談を基に仕事の解説をさせていただければと思います。
これからメーカーの購買・調達部門へ就職が決まっている方や、新卒でメーカーの購買・調達部門を志望される方、
転職でメーカー購買・調達へ行かれるかたは是非参考にしてみてください!
【前提】購買・調達はシェフの様な役割である
『購買・調達はシェフの様な役割だよ』
これは私が新卒で入社した時に、当時の上司から言われた言葉です。
今でもこれ以上にわかりやすい説明はないと思っていますし、私が人に説明する時もこの言葉を使っています。
購買マンとシェフ
- シェフは何処から食材を購入するか決める(=メーカー選定)
- シェフは良い食材を安価で購入できるようにする(=コストダウン交渉)
- シェフはいつ食材が納入されるか管理する(=納期管理)
- シェフは購入した食材が余ったり、使えなくなったり、捨てることを避ける(=在庫管理)
購買・調達の代表的な仕事はこの4つの仕事から成り立っており、シェフの様な仕事だと説明されたました。
いざ実際の仕事になると細かくは異なりますが、概念的なイメージとしてはこれ以上ない説明だと思います。
次からか、購買・調達の代表的な仕事を解説していきます!
購買・調達部門の代表的な仕事を解説
購買・調達部門の代表的な仕事は4つの要素から構成されています。
それぞれの代表的な仕事について、詳しく解説していきます。
メーカー選定
まずは最初に、調達する部品メーカーを決める「メーカー選定」です。
メーカー選定の役割は、購買する部品メーカーを決定することです。
部品を調達する際に選択肢となるメーカーさんはいくつもあります。
その為、購買・調達部門が主導となり部品を供給してもらうメーカーを選定する必要があります。
代表的なメーカー選定の方法は以下があげられます。
メーカー選定の方法
- CD(Quality, Cost, Delivery)から決定
- さらにEMS(Environment, Management, service)を加えて更に複合的に決定する
- BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を考慮して決定する
コストダウン交渉
次に調達の醍醐味ともいえる「コストダウン交渉」です。
コストダウン交渉はサプライヤー選定選定時もそうですが、選定後の安定供給時のコストダウン交渉を行います。
メーカーの企業活動における利益の源泉は、完成品の価格>構成する部品の合計価格が成り立たなければなりません。
構成する価格が下がることで、利益は大きくなるため調達が企業利益に寄与できる影響がかなり大きいと言えます。
代表的なコストダウン方法は以下が挙げられます。
コストダウンの方法
- スケールメリットを利用した価格交渉
- 競合他社との競争入札を利用した価格交渉
- 手配納期の長期化の許容による価格交渉
- 品質基準の緩和による価格交渉
部品メーカーとしては、コストダウンを簡単に容認できるわけもなく、
ここが購買・調達としての交渉の醍醐味とも言えるところです!
納期管理
3つ目は「納期管理」です。
納期管理は調達した部品の納入日程を管理することを指します。
調達・購買活動において、納期の前倒しや後ろ倒しは頻繁には発生する事象です。
日程調整が発生した都度、完成品の生産管理と部品メーカーと交渉して納入日程の調整を行う必要があります。
納期管理のポイント
- 生産を最大限継続できるように対応する
- 完成品メーカーとあらゆる角度(品質の許容や、割増金等)から交渉し納期を調整する
納期調整が発生した都度、満額の回答を貰えれば調整は必要なくなります。
しかし、常に満額の納期回答を入手することは難しく、どこかで落としどころを見つける必要が出てきます。
調達としては、完成品の生産管理の日程要求を限りなく満たすことで、エンドユーザ―の要望を満たしつつ、
部品サプライヤーと日程の交渉をしていく必要があります。
在庫管理
最後は「在庫管理」です。
在庫管理は調達してきた部品の数量を管理することです。
『必要な数量を手配したのに管理は必要なのか?』と思われる方、ごもっともです。
計画通りに全てが進めば在庫管理は必要ないかもしれません。
ただし、下記の点から在庫の管理は調達として必要な業務になり得ます。
在庫管理が必要な理由
- 生産計画の日程は前後するし増減もする
- 部品によっては使用期限や消費期限が存在する
- 死蔵在庫となった場合、純粋な損失になる
必要なものを、必要な時に、必要な数量手配することで、生産効率を最大限にすることができます。
また使用期限・消費期限を意識し、死蔵在庫を回避することで、
企業損益に直接プラスの影響を与えることができます。
まとめ
今回はメーカーの購買・調達の仕事について、知らない人向けに解説しました。
要点まとめ
- 購買・調達はシェフの様に複数の業務をこなす仕事
- 代表的な仕事はメーカー選定、コストダウン交渉、納期管理、在庫管理からなる
調達・購買の仕事は企業によって多少異なるかと思いますが、基本はこの記事で抑えられています。
これからメーカーの購買・調達部門を志望して就活される方、既にメーカーの購買・調達部門に内定している方、
転職でメーカーの購買・調達部門を志望される方は、この記事を参考に購買の仕事内容のイメージを膨らませ見てください。
以上です、ご覧いただきありがとうございました。